審査をされた菊池先生のご感想がUPされていました。
「PTNA特級、二次予選の審査に久しぶりに入りましたが、ここまでの想像を絶する練習への感嘆の念と、この舞台へ至る彼らの人生を支えてきた皆様への敬意で胸が一杯です。
だからこそ…講評の筆も鋭くなるのですが、それは期待の証と受け止めていただけると幸いです!そうして自分も伸びてきたからこそ。
全体的には、テンションコントロールやフレーズ構成に課題を残す演奏が多かったように思いますが、若さと緊張のゆえとも思いますので、今後の研究できっと克服していかれることでしょう!
ここで現場に居たものとして少しだけ特筆しておきたいのは、僕もあとから配信の音源を聴いて感じたのですが、同じ演奏でもテンポの聴こえ方が客席に届く生音とステージにもマイクを置いた配信では全く違った、ということです。
ほぼ無観客でよく響くホールでは、客席の観客の耳が細部を認識するのに時間が必要です。ペダルを多少減らすことで少しはカバーできますが、限界はあるようです。
手元でちょうど良いと思っていても、客席では「速過ぎる」という印象を抱かせてしまうことがあるということを、客席に演奏を届ける演奏家は常に心得ておく必要があります。これは、僕もかねてより多くの巨匠に言われてきたことですが、今回真剣に聴いた生音と、後から聴いた配信音源を比較することで、あらためて実感したため、優秀な後輩たちに伝えたいと思います。
それを差し引いても、いささか速すぎるテンポの演奏が多かったような気はいたしますが…まあ僕も身につまされるものはありますので(笑)聴き手とコミュニケートすることで、ますます成長していっていただきたいと思います!
僕もいろいろ考えさせられましたので、今後の自分の研究に反映していきたいと思います!みなさん、渾身の演奏をありがとうございました。」