実際にあったコンクールの話


「ピアノの森」のショパン国際コンクールの場面を見て、私は実際にあったポーランドのショパン国際コンクールのイーヴォ・ポゴレリッチを思い出しました。当時、凄い話題になり、記憶しています。彼は1980年、第10回ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)の本選で落選、審査員特別賞受賞授与。

そこで審査員であった女流ピアニストのアルゲリッチが、これまでのショパン解釈からは到底考えられない彼の演奏は奇抜すぎるとする他審査員に対し、次のように述べています。

「彼こそ天才よ!」といい、その場から立ち去り抗議。審査員を辞任する騒ぎとなりました。また、パウル・バドゥラ=スコダを始めとする他の数名の審査員は辞任はしなかったが、アルゲリッチに賛同の意見を述べました。尚、アルゲリッチがショパン国際ピアノコンクールの審査員に復帰したのはこの20年後、2000年でした。

この一連の出来事は「ポゴレリッチ事件」と呼ばれるようになり、ショパン国際ピアノコンクールの歴史を語る上で避けられない出来事となりました。

またンクール期間中にもかかわらず、審査委員長のコルド氏、落選者のポゴレリッチの異例の記者会見がなされました。事態を重く見た審査員達は急遽ポゴレリッチに審査員特別賞を与えることを決定!上位入賞はしなかったものの、一気にスターダムにのし上がりました。コンクール後はドイツ・グラモフォンと契約、ショパンやラヴェルなどアルバムを多数リリースしました。

下の動画が彼の演奏です。この曲、私も若い時に弾きました。初めの衝撃的な音はショパンが病気で苦しむ不安が爆発したような音で始まり、その後、左手は心臓の鼓動を表しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です