きらめきの前に、未だに指の形や脱力が出来ず、ハッキリした良い音、大きな音が出なくて困っている子がいます。そこで、次の3つのトレーニングをご紹介いたしますね。
①脱力した状態を知る
まずは、肩と肘が楽になっている状態を体感してください。
親御さんが両腕を前に出し、手のひらを上に向けます。その上にお子さんが両手を乗せます。そして、「眠っているつもりになってね」と親御さんが声をかけます。その時に重みを感じられるかどうかです。立場を反対にして、腕の重みと完全脱力の実感ができます。
②脱力した状態で、実際に音を出してみる
脱力を体感できたら、今度はピアノに向かって、実際に音を出してみましょう。まず、両手の3の指で単音を同時に弾きます。その際、短すぎないけれどもスタッカートで、「ポ~ン」という音のイメージをもって弾くようにしてください。最初に打鍵するときは指先で腕の重みを支えることを意識して、ピアノの蓋側に音を送り出すイメージです。なお、肩と肘に余計な力が入っていないことと、手首が下がっていないことを常に確認してください。
単音でうまくできたら、今度は1と5の指を使って2音にして、同様のトレーニングを行います。
2音でもうまくできたら1, 3, 5の指で3和音にしてみるなど、音数を増やしていきましょう。
③指の形が悪い子は壁の指立て体操
指の形をしっかりさせるためには「壁の指立て体操」がお勧めです。
第1関節や第3関節がつぶれてしまう人には、特に有効です。
まずは、壁に向かって50~60㎝ぐらいの位置に立ちます。そして両手を壁に向かって伸ばし、お椀をイメージした手の形を作って少しずつ壁に体重をかけさせます。この時、第1・第3関節がつぶれていないか見ると同時に、手首が壁に触っていないことも確認しましょう。
そして、その体制から指で壁を押し、体が跳ね返るくらいの力を出しましょう。
要するに「脱力して壁に指立て伏せのようにする→勢いをつけて跳ね返る」の連続で瞬発力を活かした大きな音で弾く和音のスタッカートの練習にも繋がります。曲の最後にカッコよく、大きな音で終わる曲がそうですね。
お試しくださいね。
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