リストの「ダンテを読んで」というソナタ風幻想曲をご紹介します。ダンテの「神曲」を元に作曲されました。世界文学の勉強にもなりますね。では、「神曲」のストーリーをご紹介します。ご存じだったら、ごめんなさい。
ダンテという青年が、師匠と慕う年配の男性に連れられて、生きた身のまま地獄を見学し、その先に煉獄、天国を見学し、最終的には人間の世界へと戻って来るという、いわば「あの世見学ツアー」です。
その中の地獄編で、この先に煉獄と天国なるものが待ち受けているわけですが、地獄は大きな谷になっていて、罪が深ければ深いほど、谷をぐるぐると降りた下の方へいきます。
地獄を降りていくた度に、そこで苦しめられている人たちに「お前は誰だ?なぜ生き身のままここにいる?」と尋ねられ、自分がいかにして地獄に来る羽目になったかを涙ながらに語ります。
各場面自体は、「ほー、こういう罪を犯すと、地獄でこういうふうに痛めつけられるのね」と納得できるしおもしろいお話です。
例えば、あるシーンでは、顔を後ろ前反対に付けられていて、前に進もうとするには後ろにさがらないと歩けない人たちが登場します (笑)
彼らは未来を予言しようとした罪で地獄へ落とされた人達で、一生後ろしか見られないという刑罰で痛くはありませんが、これも辛いかも?
主人公の「ダンテ」が実際に生きたまま地獄を見て来たことを「自分の良心に誓って真実である」と何度も言います。
この作品は一生忘れられないほどのインパクトを持っているので、今でも傑作となっているようです。
曲はこちらです。長いのでお時間のある人はお聴きください。
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