【アクション】
★グランドピアノ
打鍵された鍵盤はテコの原理でアクションに伝わり、ハンマーを上方向に跳ね上げます。力の方向が同一方向に伝わるため、アップライトピアノに比べ打弦エネルギーが2〜3倍となり、ダイナミックレンジ(音の強弱)はより幅広く取れます。ハンマーが自重で戻るため完全に戻らなくても次の打弦ができるため、素早い連打やトリルが可能です。※1秒間に14回以上の連打性能。
また、アクション機構は、調整箇所が多いので繊細な調整や整音が可能です。
★アップライトピアノ
打鍵された鍵盤とハンマーは同一方向でないため、力と時間のロスが生じます。ダイナミックレンジの幅もグランドピアノに比べて狭くなります。連打性能は、ハンマーを戻すのにバネの力を借りるため、素早い連打をするには限界があります。※1秒間に7回程度。
また、アクション機構は、調整箇所が少ないので、調整や整音の幅はグランドピアノよりも狭くなりますが、電子ピアノよりは勿論イイです。
★電子ピアノ
RHⅢ(レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ)鍵盤
一応、14万円以上の電子ピアノは鍵盤ウェイト付きとなっていますが、アップライトやグランドには叶いません。電子ピアノの難点は速いテンポの曲や速いトリルを弾きこなすことが出来ないのが残念です。例えば、同じ曲を毎日、電子ピアノで練習している子と毎日、アップライトピアノ、またはグランドで弾いている子と比較すると、圧倒的に電子ピアノの子の演奏が貧弱に聴こえてしまいます。電子ピアノの子は普通のピアノに比べて打鍵力の感覚が身に付いていないことと、(低反発クッションまでとは申しませんが)鍵盤の戻りが遅いので次の打鍵に追いつかないのです。(泣)
★まさかの キーボード
私の生徒さんにはキーボードの人はいらっしゃいませんが、念の為、記載致します。キーボードでは強弱が殆ど付けられませんし、鍵盤がおもちゃのように軽くなっていて、音の表現力も不可能です。幼い頃のおもちゃとして親御さんに買って頂いた人はもう触らない方がイイです。アップライトやグランドを弾いたら、物足りなさを痛感することでしょう。
【ペダル】
★グランドピアノ
1.ウナ・コルダペダル:
鍵盤全体を右に移動させ、打弦を3本から2本にして音量を調整したり、音色を変えたりすることができます。無段階に効き目が分かります。
2.ソステヌートペダル:
鍵盤を押さえた後このペダルを踏むことで、ひとつの音や和音を響かせたまま、演奏ができます。
これはグランド特有なので、これがついていないアップライトピアノは弾けない曲も生じてきます。
3.ダンパーペダル:
踏んだ瞬間、ダンパーがいっせいに弦から離れ、長く音を振動させることができます。
無段階に効果が現れます。
★アップライトピアノ
1.ソフトペダル:
ハンマーレールを押し上げ、弦との距離を縮めて打弦することで、音量を弱めます。
2.マスラーペダル:
踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルトの幕が下り、音量を下げます。
3.ダンパーペダル:
踏んだ瞬間、ダンパーがいっせいに弦から離れ、長く音を振動させることができます。
3分の1ペダルなど細かい踏み具合についてはグランドほどの効果は難しいです。
★電子ピアノ
多くの機種は弾いた音だけが伸びるので、共鳴音がない聞こえ方になります。
※要するにグランドもアップライトも音はピアノの弦の振動から成り立っていて、タッチで柔らかい音、硬い音、悲しい音など変化しますが、電子ピアノは弦がなく、録音された音が鳴るだけですので、音色はいつも一緒です。振動が無いとペダルも倍音が拾えないので、感動的な演奏は無理です。ここで演奏に差がついて来るのでしょうね。
※真剣に長くピアノを続けたいと思うなら、買い替えが不要なグランドをお勧めします。アップライトの一番高価なものより、グランドの一番小さい物の方が絶対にイイです。「あ~、この曲はアップライトピアノでは無理だね。」という事が絶対にありません。畳2帖分で、充分入ります。
いずれ、ピアノの先生を目指す人はご検討頂くのも良いかも?ハーフタッチ、3分の1ペダル、4分の1ペダル、ソステヌートペダルの曲など、細かい演奏法の指導が可能かどうかってことです。
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