牛田くんのメッセージで涙


牛田くんがFacebookにメッセージを公開されました。文を拝読して涙が出て来ました。牛田くん、立派です。以下です。

💓ショパンコンクールに向けてさまざまな場所で応援してくださった皆さま、お力添えをくださった皆さま、本当にありがとうございました。偉大な歴史を持った素晴らしいコンクールで演奏するという機会を得られたこと、そしてそれを多くの皆さまと共有できたことを心から光栄に思っております。
 
このコンクールで審査をしてくださっている先生方は、音楽家として心から尊敬する存在で、演奏を聴いていただけたことをとても光栄に思っております。今回の判断を心から支持しています。
 
一方で、ご期待を寄せてくださっていた皆さまには、結果という形で報いることができなかったことを本当に、申し訳なく思っています。
 
今回はなかなかホールの音響がつかめず、どこが最大音量なのかを見極められないままラウンドを終えてしまい、ダイナミクスの構成や音色の種類の調整が大きく狂ってしまいました。ホールの音響上、自分の音量が足りていないのではないかと錯覚してしまい、かなり不自然な力でピアノから芸術的でない飽和した響きを引き出してしまった瞬間がありました。
 
また、響かないホールで音量を出すためにバスや最も重要な音を少し遅らせると倍音の効果でピアノが鳴っているように聞こえさせることができるのですが、ホールの音響がつかめないため、無意識に多用してしまっていたようです。
 
(左右のズレは20世紀の典型的なテクニックではありますが、現代ではあまりふさわしいテクニックではありません。もちろんポリフォニックな部分やレチタティーヴォ的な旋律の部分では声部ごとのイントネーションの違いから必然的なズレが生じるのは自然に聞こえる範囲内であれば許容されるべきだとは思いますが。)
 
計算違いが重なり想定していたものとはかなり違った音楽を提示する形になってしまいましたが、
自分にとっては準備の過程のなかで作品についての勉強をたくさんさせていただけたことが、かけがえのない経験と財産となりました。
今後より成長して、また皆さまに聴いていただけるよう精進したいと思います。

 

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