牛田君コンサート


徹底した感染症予防対策を取ったコンサートでした。
以下に曲の感想を綴ります。
①ノクターン16番…指先に一音ずつ念を込めて弾いていた。Pの中でも光る音があり輝いていた。ショパンは苦悩の人生の中、なんとこの美しい旋律が書けるのだろう?いや、苦悩の人生だからこそ希望を音楽にしていたのかも知れない。
②ソナタ2番…病魔による死を意識した曲。勢いあり、打鍵もしっかりして、リズム感もピカイチ。体にズシンとくる迫力あり、天に響く音も感じられた。音に厚みがあり、ペダル操作が上手いと感じた。trが光のようで、Bassも響いている。自然のテーマの入り方が自然で美しい。同じフレーズの2回目は柔らかく弾いていた。PPとPPPの持続が素晴らしい。
③ワルツ5番…キレより響きのある弾き方だった。
④英雄…堂々たる威厳の中、柔和な響きもあり、高音の音色も多彩であった。
⑤マズルカ…3拍目はそれ程、強調せず、自然に聴けた。
⑥バラ4…内声も聴こえてハーモニーの厚みを感じた。勿論Sop.は大。シンコペが生きていて、離鍵が素速く、腕や肘の使い方も自然で、Bassもよく響き、後半の熱量が素晴らしかった
⑦舟歌…何度聴いてもハーモニーに魅了される曲。柔らかい音の中でもハッキリした音を出せるのは見事だと思いました。ペダルもホールの響きを聴きながら、一体となっていた。とても心地よい音楽でした。この音の空間を共有できたことは至福の時間でした。

※とかく、日本人の弾くショパンは粘りがあり、大げさ過ぎる傾向にあると言われますが、牛田君は国際的視野を持った演奏だと感じました。ポーランドのショパン国際コンクールを目指されているのかな?

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